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 昭和歌謡とマカロニウエスタン

 最近古い映画音楽をYoutubeで聴くことが多い。もちろんレコードやCDもあることにはあるが、それだけではカバーしきれないし、手軽に聞いたり、ふと思いついてその場で検索したりするには何といってもYoutubeが便利だ。もっとも僕の使っているノーパソの音の悪さには閉口するけどね。前に使っていたモデルはヤマハの音響システムを搭載していたので、それなりの音質で音楽が聴けたんだけどなあ。いっそのこと、常時TVに接続しておこうかな。

 そういった映画音楽のなかでも、最近検索することが多いのが「紅の翼(1954)」のテーマ曲。同名の映画が2本あるが、ここで僕が言っているのは洋画のほう(くれぐれも、石原裕次郎主演の邦画ではない)。ストーリーは嵐に見舞われた旅客機がたびたび危機に陥りながらも無事着陸するまでをオールスターキャスト(なのかな、あれは)で描く群像劇で、主人公のパイロットをジョン・ウェインとロバート・スタックが演じている。テーマ曲はディミトリ・ティオムキンが作曲し、アカデミー最優秀オリジナル音楽賞を受賞した。

 もう一つ、よく聞いているのが往年のマカロニ・ウエスタンのテーマ曲。かの有名なエンニオ・モリコーネが作曲した一連の作品で、なかでも気に入っているのが「豹/ジャガー(1968)」と「ウエスタン(1968)」。

 「豹/ジャガー」は寂し気な口笛から始まり、情感たっぷりのトランペットが続く。そして次第に盛り上がる主旋律の繰り返しに再びトランペットのソロプレイをフィーチャーしてクライマックスに至る。最後の決闘シーンにこの曲を流し、フルコーラスの演奏時間に合わせて場面構成しているのが見事(と言っても、ほとんどTV放送されてこなかったのでちゃんと鑑賞したことはないんだけどね)。

 「ウエスタン」は原題を「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウエスト」といって、和訳すれば「昔々、西部のどこかで」といったニュアンスか。「銃に物を言わせた男たちやそれに絡む女たち、人知れず死んでいった人々…いろいろあったけど、今はもう昔の話さ」という、西部開拓時代の終焉を描いた作品だ。だからラストの決闘も、時代の流れのなかでは些細な出来事にすぎず、西へ西へと伸びる線路(近代化の象徴)とその工事に携わる人々、その世話をするヒロインを尻目に、ガンマンたちは次々にこの世を去り、生き残ったとしてももう居場所はない。実はこの映画、当時下火になりつつあった西部劇映画そのものの挽歌でもあったという。一見(聴?)してエンニオ・モリコーネとは思えない過ぎゆく時代への郷愁を誘うメロディーと、それを補完する女性コーラスが素晴らしい。

 ところでエンニオ・モリコーネの作曲する曲は、聞けば聞くほど日本人の感性に馴染むメロディーラインやコード(和音)が多用されている気がする。今思い出したが、「夕日のガンマン(1967)」のラストの決闘シーンに流れる曲もそうだった。こちらもトランペットが良い仕事をしていて、すんなりと心の奥にまで届く。イタリア人と日本人って、何か感性に共通点でもあるのだろうか。

 そんなこんなで、何回も聞いているうちにあることに気づいた。彼の作る音楽は、なんだか昭和歌謡に似ているぞ。そうか、だからしっくりくるのか。そう思ってカミさんに聞かせてみたところ、すごいことを言ってきた。「なんか、美空ひばりが歌いそうじゃない?」