長女が剥離骨折した話
昨日の午前中、横浜在住の長女から「ケガをした」とラインが来た。カミさんが詳細を尋ねたところ、通勤中に駅の階段を登り切ったタイミングでコケたらしい。幸い階段を転げ落ちるようなことは無かったそうだが、変に足を捻った結果、足の甲を剝離骨折したとのこと。…足の甲を剥離骨折?どうもイメージがわかないな。
とりあえず大事には至らなかったようなので、「まともに二足歩行できないのなら人類やめてしまえ」とでも送っておけば?と言うと、カミさんに「ケガしてるのにそれはかわいそう」と却下されてしまった。世の中に○○ハラスメントという言葉があふれかえるようになってからというもの、どうも僕のブラックジョークは評判が悪い。
剥離骨折といえば、中学校の教師だった頃、こんなことがあった。体育祭のリレーの練習中、アンカーだった生徒が全力で最終コーナーを回ったとき、すぐそばにいた僕は「パキッ」という乾いた音を聞いた。「やべえ」という声も。彼は急速に減速し、ゴールに着くころには片足を引きずるようにして歩いていた。誰も何が起こったのかわからず、本人は腰のあたりがかなり痛むと言う。僕が聞いた異様な音のこともあって、すぐさま病院に連れて行ったところ、骨盤の一部を剥離骨折していることがわかった。えー、全力疾走で骨折?そんなことあるのか?
当時よく思ったのは、自分が子供だった頃と比べると、近頃の子供はやたら骨折するなあ、ということ。特に多かったのは柔道部かな。なぜそれがわかるかというと、大けがの時は養護教諭を差し置いて僕が呼ばれることがよくあったからだ。
戦争映画をやたらと見て育ったせいか、僕は緊急時には冷徹と言われるほど冷静で、見様見真似の止血や応急処置も傍目には上手に映ったらしく、養護教諭から直々に呼ばれることもあったぐらいだ。ある時など、骨折した手首を固定するため、3~4人の先生たちが備品の添え木をさがしまくっているのを尻目に、段ボールで簡易添え木を作ってさっさと固定してしまった。お分かりかと思うが、厚手の段ボールは筋目に沿って折り返すだけでかなりの強度が得られる。こういった知識は、知っておいて損はない。そういえば出血を伴う大けがの時、養護教諭に「学校にはフロックス(軍用止血剤)無いのか?」と聞いたら「そんなもんあるわけないでしょ!」と怒られたこともあったっけ。
一応言っておくと、これは僕の思い込みではなくて、救急隊員から「処置がきちんとできているのでこのまま運びます、ありがとうございます」なんて言われたことも何回かある。要するにプロのお墨付き。まったく、人生何が幸いするかわからない。
長女は「せっかくだから1~2日休みを取るか在宅勤務で対応する」とか言ってたな。痛みが止まらんとか、痛くてたまらんといった泣き言は一言も送ってこなかったから、多分大丈夫だろう。今は旦那もいることだし。ところで婿殿、軍用止血剤は常備しておくと、いざというとき便利だぜ(いやいや、流通してないって、そんなもん)。
追記 調べてみたらセロックス、アマゾンで売ってた。びっくりだ。