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 今年のクリスマスケーキ

 クリスマスの準備をしている。ドイツの風習にちなんで、毎年4週間前から始める(アドベントという)。ネットで確認したところ、北米防空司令部(NORAD/ノーラッド)も今年のサンタ追跡の準備を始めたようだ(「ノーラッド サンタ追跡」で検索)。僕は僕で、現在ケーキに使う食材を買い集めているところだ。

 以前は既製品を買っていたのだが、「去年のあれ、美味しかったよね」の、「あれ」が翌年にはなかったりするので、ここ数年は当時のカタログを参考に、自分たちで作るようになった。大学生の娘はバタークリームケーキとショコラムースのケーキを、僕はダークチェリーとピスタチオのブッシュドノエルを作るのが定番だ。娘は今年、ショコラムースにフランボワーズムースを組み合わせてアレンジしようと計画しているらしい。僕は生クリームとショコラの2本立てに挑戦してみようかな。そんなにたくさん作ってどうするんだ、と言われそうだが、今年のイブには親族が9人集まるので、結構はけてしまう。お土産に持ち帰る人もいるし、翌日までは美味しく食べられる。ただし右腕の筋肉痛は必至だな。どうも電動泡立て器は性に合わないのですよ。生クリームのホイップは人力のほうが早いしね。

 参考までに言うと、今年はメインディッシュとしてラムチョップの赤ワインソースを作る。ソースはクックパッドにあるようなケチャップを使ったものではなくて、フォンドボーと蜂蜜を使ったもの。よりフレンチっぽく、ね。

 定番の鶏モモのローストとローストビーフは行きつけの精肉店の既製品。オードブルには市販のテリーヌを用意した。もちろんサラダも作るが、ケーキのことを考えると、どう見ても栄養バランス的に不健康なメニューだ。でも家族全員が太らない体質なので、うちの場合は問題なし。

 今一番困っているのが、我が家のクリスマスには欠かせないシャンパンを含む、ワイン類の価格が高騰していること。その昔4~5,000円で買えたシャトー・カロン・セギュールが20,000円超とか、ふざけんじゃないよと言いたい。昔は無理すりゃドン・ペリニョンのロゼだって買えたんだよな。それが今では40,000円前後、とても手が出ない。かといって、さすがにシャンパンは自前で作るというわけにはいかない。仕方が無いからモエ・エ・シャンドンのロゼで我慢する。と言っても、これだってそこそこ良いシャンパンではある。そう言えば「めぐり逢い」という映画(1957年)で、デボラ・カーが「ピンク・シャンペィン」なんて言ってオーダーしていたっけな。そんでもってちょこっと耳の後につけたりして(香水代わりかと思ったら、縁起担ぎのおまじないらしい)。なかなか粋ではないですか。あーあ、シャンパンの値段にしろ、映画にしろ、昔は良かったなあ。

 さて、ケーキであるが、娘は今回、なぜかケーキ作りに例年にない意欲を見せている。イブに向けて二つのケーキを作るだけでなく、今までに4回作ったがいずれも満足のいく出来にならなかったムースケーキに、25日(クリスマス当日)に再挑戦するという。娘は大学の4年生、卒論も大詰めだ。こりゃあれだな、ほら、テスト勉強をしているとなぜか部屋の模様替えをしたくなるという・・・。まあ、それも良いか。就職も決まったし、来年からはそうそうケーキ作りにいそしむこともできないだろうから。だが待てよ。ということは、来年からはその分も僕に回ってくるということか?

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 ゲテモノ?それとも美食?

 熊の肉をもらった。鹿やイノシシはもちろん、マガモやワニなども食べたことがあるが、熊は初めてだ。くれたのは懇意にしている保険会社の女性。映画好きで、真っ黒のボルボに乗り、知人にはヤバイものが見える人がいるという何とも魅力的(?)な人。この人は何か面倒な食材が手に入ると、僕に電話をかけてくる。この前は「ヒナが入っていたら食べないでくださいね」とか言いながら、合鴨の卵(生)を持ってきたっけ。恐ろしい話だ。想像してみてください、ゆで卵からヒナの死体が出てくるところを。ちょっとしたホラーじゃありませんか。多分監督はデビッド・リンチあたりだな。心理的にぐいぐい来そうだ。

 幸い全てが無精卵だったのだけれど、実を言うとぼくはこういうタイプのおつきあいが少なくない。「マガモのロース。散弾が入ってたらよけて食べてね(昔の同僚)」であるとか、「アブラボウズ(魚です。僕もその時初めて知りました。)の切り身です。脂がすごく多いから食べ過ぎると腹を壊しますよ(教え子の親)」であるとか。今回の熊肉は「○○さん(僕のこと)料理できるし、珍しいもの好きそうだから、食べるでしょ?」何を根拠に言っているのだろう。

 その昔、職場の食事会とかで(ごくたまに)高級な日本料理店に行くのが楽しみだった。アワビのツノだとか白子だとかが出ると、みんな僕のところに回ってくるからだ。食べてみれば美味しいのに、イメージや見た目だけで食材を嫌う人の何と多いことか。なにしろ言い訳が良い。「僕は庶民で良いんです」だって。僕だって立派(?)な庶民なんですけど。いやその前に、アワビのツノや白子は庶民が食べてはいけないものなのか?だいたいこういう人たちはウニやイクラは喜んで食べるんだよね。卵巣は良くて精巣はダメ、これは明らかに性差別であろう。違うか。

 それで熊の肉なんだけど、上手く下処理しないと臭みが強いというのは知っていた。が、今回の肉は獲った直後に上手に処理(血抜きとか)されたらしく、そのままステーキ(味付けは塩・コショウのみ)として食べても美味であった。残りの半分は鍋にして食べたが、アクらしいアクも出ず、歯ごたえはあるがすっと噛み切れ、繊維が残ることもなく、家族で美味しくいただいた。正直なところを言うと、もう少し獣肉っぽい癖があっても良かったような気がする。でもこれはリピートしたいぞ。保険屋さん、またよろしくね。

 うちに「珍(めずら)かなるもの」が集まってくることは前記したとおりだが、よく考えてみると件(くだん)の保険屋さんもすごい。そのルートの一つになっているわけだから。しかも頻度としては一番だ。いったいどんな人脈をお持ちなのだろうか。熊肉についてはどこぞのジビエ料理店経由(だから下処理済みだった?)ということだったが、前回の合鴨の卵はどのようなルートで入手したのだろう。何にせよ今後も期待が膨らむばかりだ。保険屋さん、これ読んでます?次はカラスが食べてみたいです。

 いやー、解約しなくてホント、良かったなあ。