もしかして、それって○○かも…?
最近聞いていてイライラする宣伝文句がある。「もしかして、それって○○かも」というやつだ。○○の部分には病気の症状や名称が入る。そして「だったらこれ!」と、医薬品やサプリメントを紹介する。
この「もしかして○○かも」という文言には二つの含みがあって、「効果があるかもしれないから、とりあえず買って使ってみては?」というお誘いと、「効かなかった?じゃあ○○じゃなかったということですね。でも断言はしなかったでしょ?」という言い訳が隠れているように感じる。どちらも売る側には好都合だ。
もう一つ、使用者の「喜びの声」を伝えながら、「個人の感想で、効果を保証するものではありません」と、ことわりの言葉を添える、というパターンもある。すげー違和感。だったら個人の感想なんか伝えなければいいのに。
考えてみると、一般的な医薬品の宣伝文句は、昔から効能について断言するスタイルのものが多かった。特に印象深い総合感冒薬のCMに、「かぜの諸症状によく効きます」という決まり文句があった。「かぜに効きます」ではなく「かぜの諸症状に…」と言っているところがミソで、抗生物質が含まれていないから、事実かぜそのものを治す効能はない。だから思わせぶりなことは言わず、「咳、発熱、頭痛などの症状を抑える」という事実だけを伝えているわけだ。これになぞらえて考えると、先ほどの「個人の感想」は「気の持ちようが変わります」ということになるのかな?うーん、さすがに使えないか。
冒頭で紹介したようなあいまいな表現は、特にサプリメントのCMに多い。これらの商品のなかには、それなりの機関が検査した結果、CMで謳っている効能に何の根拠もなかったり、ひどい例では健康被害事件にまで発展したものもある。そんな時代に商品を売る側が、CMであいまいな表現をするのはどうかと思う。それが医薬品やサプリメントのCMならなおさらだ。少なくとも僕は「それって○○かも」なんてことを言われたら、「売る側がよくわからないんじゃ効果を期待しろと言われてもなあ…」なんて気持ちになってしまう。だから買わない。ほかの人たちはどう感じているのだろうか。