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 夏といえば怪談 2023 「あるライフプラン・コンサルタントの場合」

 今回のタイトルになっている「ライフプラン・コンサルタント」とは、うちに来ている例の保険屋さんのことだ。そうです、あの熊の肉をくれたり、黒いボルボに乗っていたりする、あの保険屋さんです。何で言い方を変えたかって?だって、カタカナの方がかっこいいじゃないですか。

 実は前回紹介した、息子さんが変なものを見るという話も、この保険屋さんの話なんですね。ただし、彼女自身は「見える人」ではなくて、亡くなったご主人が「見える人」だったらしい。だからその血を継いだ息子さんも「見える人」。仮に見えなくても、何かあると右腕が痛くなるとか。

 話題が話題なので、なんとなくぼやかして書いていたんだけど、本人曰く、「いいですよ、普通に書いちゃっても」ということなので少し書きやすくなった・・・のかな?そんなわけで、今後は単に「Kさん」と表記することにします。何しろ家族ぐるみでいろいろな経験をしている人なので、話題には事欠かない。そこで、今日はKさんのおばあさんのエピソードを一つ紹介したい。

 今回Kさんに来てもらったのは、次女のために条件のいい保険を紹介してもらおうと思ってのことだ。前回その話をして、今回は書類を作る段取りだ。Kさんはこう切り出した。「実は前回説明した内容に訂正があるんです。」前回の内容?それは僕の入っている保険のことかな。それとも娘が入る新規のほうのことか?「あれ、寺でも神社でもありませんでした。」「は?」「昔祖母が取り憑かれたときにお世話になったのって、近所の拝(おが)みやさんでした。」そっちの話かよ!ホントにこの人は、うちに何しに来てるんだか。そういえばKさんのおばあさんって、墓場から他の家の霊を連れて帰ったことがある、なんて言ってたっけな。

 そもそもこのおばあさんが、その昔、例の出先で亡くなったおじいさんの霊を慰めた人で、ある知人に言わせると、「優しいから霊が憑きやすい」特性を持っているという。この知人というのが、そういった事柄を生業とする盲目の老婆だったそうで、当時、Kさんの家では何か異変が起こるたびに、この人に相談していたらしい。Kさんのおばあさんがまだ若い頃、この老婆に「あなたは優しいから、墓参りのときに隣の墓の人(というか霊)がついてきている。戻してあげた方がいい」と言われて、祓ってもらったことがあるんだそうだ。

 ところで、Kさんが住んでいるのが割と近場だったということはもう話しただろうか?直線距離なら1キロと離れていない場所に、Kさんの実家があるのだ。だから話に出てくる場所も僕の家から近いエリア内がほとんどだ。例えば例の盲目の老婆が住んでいた場所は、聞いてみればうちの近所だったりする。散歩がてらに歩いて往復できる距離だ。おお恐。ただし、そういった人物が住んでいたという話に聞き覚えはない。僕が今の場所に住み始めたのは25年ほど前だから、おばあさんのエピソードはそれより大分前のことだろう。

 Kさんの家では、2階の向かって右側の部屋でいろいろと起こる、という話も聞いた。Kさんの家は僕がよく買い物に行くスーパーまでの道のりの途中にある。その道から右にそれて3軒目、周囲には畑が多いので車からもよく見える。この話を聞いた後、家の前を通るたびに2階の右側の部屋に目が行くようになってしまった。普段はあまり使われていないらしいが、窓に誰か(というか何か)いたらどうしよう、なんて思う。だったら見なきゃいいのに、ねえ。 (つづく)

付記 そういえば、息子さんに見えていた人物は、あれ以来見える頻度がだんだん少なくなってきているそうだ。おかげであまり気にならなくなった、とのことだ。

作成者: 835776t4

こんにちは。好事家の中年(?)男性です。「文化人」と言われるようになりたいなあ。

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