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 レコードの復権

 レコードが再び注目されている。数日前、夕方のニュース番組で特集していた。往年のレコードマニアは勿論、若い人にもファンが増えているという。そういえばレコードショップやレコード売り場が以前より目につくようになってきたような気がする。

 番組では、インタビューを受けた若者が「パソコンを通してではなく、目の前にある『もの』から音が出ているので、アーティストとの距離が縮まったような気がする」と言っていた。ウンウン、意味はわからんけど気持ちはわかるよ。「レコードの方が音が良いような気がする」という意見もあった。これは理論的に正しい。また、ある女性などは、「DJを趣味とする父親の影響で、長年レコードに親しんできた」という。この人、「音が出るまでの手続き(操作)が好き」とも言っていた。これは僕もよくわかる。あれは音楽を聴くための、一種の儀式みたいなものだから。

 ところでそのあと、その女性が自宅でレコードを聴く様子がVTRで紹介されたのだが・・・えっ!?レコードプレイヤーに手を掛けて聞いている?しかも指でリズムを取っている?ダメだよそれは。絶対振動を拾ってるって。僕の知り合いの一人など、家の構造物から独立させて、ターンテーブル(レコードプレイヤー)を置くための土台をコンクリートで別に作ったぐらいだ。昔の超級マニアにはそういう人が多かった。これは通常の生活で生じる建物の振動をレコード針が拾わないようにするためだ。レコード針を含む「カートリッジ」というパーツはとてもデリケートな構造で、状況によっては2階を歩く振動を拾い、雑音として再生することだってあるんだよ。しかも過大な振動は針やレコード盤を痛めてしまうこともある。何しろレコード盤と針の物理的接触で音を出しているわけだから無理もない。

 それから、意外と無視されているのが、オーディオ機器の電源コードのプラスとマイナス。コンセントにプラスとマイナスがあるのを知っている人は増えてきたと思うけど(差し込み穴の長い方がマイナス)、コードの方はまだまだ意識していない人が多い。普通、電化製品、特にオーディオ機器の電源コードにはマイナス側に必ず何か目印が付いている。多くの場合、プラグそのものにアース記号が打ってあるとか(そうなんです、アースの働きもしてるんです)、マイナス側のコードに沿ってラインや文字がプリントされているとか(いろいろと複雑なので、詳しくはネットで検索のこと)。それを確認し、プラグを正しくコンセントに差し込むことで初めて、安全に本来の音質が再生できるわけだ。ただし、ここまで書いておいて何だけど、その音質の違いを聞き分けられる人はほとんどいないだろうとのこと。ごめんよぉ。でもノイズが減ったり、音の立体感が増したりするのは事実らしいし、安全面や気持ちの問題を考えても、大事なことだと思いません?

 というわけで、レコードを聴くなら、ハードウエアについてもしっかり学んでおいて欲しい。扱いを間違えると、本来の性能を生かせないばかりか、貴重なレコード盤やレコード針も痛めてしまうからね。

作成者: 835776t4

こんにちは。好事家の中年(?)男性です。「文化人」と言われるようになりたいなあ。

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