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 引き寄せる・・・?

 久しぶりに保険屋さんが来た。憶えてます?黒のボルボに乗り、霊感のある知り合いがいて、よく変な食材を持ち込んでくる(最近ないな)、あの人です。今回は貸し付けの制度について聞きたいことがあって来てもらったんだけど、たまたま心霊現象の話で盛り上がっていたときに(え?貸し付けの話は?)宅配便が届いた。ドアチャイムの音でえらくびっくりしたみたいで、「鳥肌が、鳥肌が」と大騒ぎだったんだけど、届いた品物は別に奇怪なものではなくて、送り主もオフ・モールというんだったかな、要するに大手のリサイクルショップ。で、届いたのが中古の榴弾砲のプラモデル。マニアの方のために詳しく言うと、タミヤ1/21アメリカ155㎜M2GUNロングトム(第2版1966年発売)という代物。優先順位の関係で、当時は結局購入せずに終わっていた。このプラモの箱絵がかっこよくて、いつかは手に入れようと思っていたんだけど、なかなかモノがない。たまたま去年ネットで見つけたものは箱が壊れていて、それでいてなぜか値が高い。そんなわけでこれは見送って、その後ずっと忘れていたんだけど、つい最近久しぶりに別の件で検索したら、そのオフ・モールとかいうショップに青天の霹靂のようにUPされていた。長いこと利用しているのに、このキットを見るのは初めてだ。何だかすごいタイミング。説明書欠損、ゴムタイヤに劣化があったが、それが故に相場より安く、箱はほぼ無事なので、思わず購入してしまった。それが今日、届いたわけだ。

 保険屋さん、始めはあきれ顔で話を聞いていたが、箱絵を見てその力量に気付いたようだ。「プラモって、こんなにリアルな絵を使ってたんですね。写真みたい。」確かに、この絵を描いたのは箱絵の第一人者、高荷義之画伯だから、鉄の質感の表現などは文句なしのレベルだ。だが正直なところを言うと、時々デッサンが狂っていることがある。僕は絵描きの端くれであるから、そういった箱絵は敬遠するのだが、この「ロングトム」に関してはとても良い出来だ。箱の平面寸法はおよそ390㎜×185㎜。わりと大きい。それが当時500円。なんて良い時代だったのだろう。ただし、このことが直ちに、当時の子どもが易々と購入できたことを意味するわけではないんだけどね。たとえば1958年生まれのあるプラモオタクライターに言わせると、小学生の時の小遣いは1日10円だったそうで、このプラモを買うには単純計算で2ヶ月弱を何も買わずに過ごさなければならないことになる。友だちづきあいを考えると、そんなことは不可能に近い。何しろ当時の小学生は外遊びの最中に駄菓子屋に寄り、きな粉棒だのよっちゃんイカだのファンタだのを購入するのが常だったからだ。そんなわけで、いかに500円といえども、結果的にクリスマスや誕生日、あるいはお正月(お年玉)を待つことになるのだった。

 保険屋さんは女性ながらプラモデル(車)を何度も作ったことがあるという変わり種の人なんだけど、このキットとの巡り合わせについて、「ホントに、滅多にお目にかかれないのに、久々に検索したら、それを待っていたかのようにそこにあったんだよね。」と話すと、「なるほど、引き寄せたんですね。」とつぶやいた。引き寄せる・・・?そうだった。この人、そっち方面にも造詣が深いんだっけ。うん、何となくニュアンスはわかる。実はこうした経験は1度や2度ではない。何年かぶりにダメもとで検索した商品が、1回でヒットして「残り1点、お早めに」だったりしたことも何度かある。そんな状況にぶち当たったときに、人は「ああ、引き寄せたな」などとつぶやくのだろう。勿論偶然なのだろうが、100回検索しても当たらない人は当たらないらしいから、「そうか、引き寄せたのか」と思って幸せな気分に浸っている方が精神衛生上も良さそうだ。だから今では、素直に「僕は多分引き寄せる力がほかの人より強いんだろう」と考えることにしている。

作成者: 835776t4

こんにちは。好事家の中年(?)男性です。「文化人」と言われるようになりたいなあ。

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