406クーペのブロガーたち
僕がプジョーの406クーペを手に入れてからもう6年になる。その間、トラブルが無かったわけではないが、今はとりあえず元気に走ってくれている。この車は知られざる名車で、以前からたくさんのオーナーがブログを立ち上げていた。だが今ではそのほとんどの更新がストップしているようだ。
僕がずっとチェックしていたブロガーがいる。「カーくる」というポータルコミュニティに所属している「きーさん」という人なのだが、その文章がとても上手で面白い。それに話の内容が多岐にわたり、この手のブログにありがちな鼻持ちならないこだわりといったものがあまり感じられない。もちろん故障や修理についての情報はあって、重宝したこともしばしばだった。一読して気に入ってしまい、アーカイブを2010年までさかのぼって全ての文章を読破した。それが2015年のこと。ところが彼の406クーペ、「猫パンチ2号車」は2018年3月、ZF社製ATミッションの重大なトラブルで走行不能に陥り、泣く泣く手放すことに・・・。それ以降もしばらくはブログの更新が続いたが、次第に途切れがちになり、2019年の7月を最後に更新がストップしてしまった。ページはまだあるので、今でも時々チェックしてはいるのだが・・・。
さらに不思議なことに、前後してきーさんの「カーとも」たちのブログも更新されなくなっていった。なかには車を乗り換えた人もいる。406シリーズの時代が終わってしまうようでちょっと寂しい。特にきーさんは、僕と同様クーペの前に406セダンに乗っていたこともあって(これが猫パンチ1号車)、親近感があった。彼のオーナー歴はセダンが1997年から12年間、2004年式のクーペは2010年から8年間ということだ。ちなみにセダンを降りた理由もATミッションのトラブルだそうだ。僕は今のところ2台持ちの状態で、セダンは1999年から23年目、2003年式のクーペは前述のとおり、2016年から数えて6年目。さらにさかのぼって、1999年以前に乗っていたプジョー505は、故障はなかったが12年目で車検を切った。3台ともZF社製のATミッションを搭載しているが、35年にわたるプジョー遍歴のなかでトラブルが発生したことは1度も無い。どれをとっても良い個体に当たったということだろう。
商品管理の体制が改善してきたとはいえ、いまだに外国車には当たり外れの問題がある。さらにメーカーは、お客が知らないうちに細かな改良・改善を当たり前のように行っている。例えば406クーペは前期型と後期型があるが、実は中期型というのも少数存在し、それぞれに仕様変更による部品形状の違い等がある。つまり前期型・中期型・後期型の他にも細かなバリエーションが存在しているのだ。部品を発注する時に車台番号や初年度登録年が必要になるのも道理だ。このように、外国車に長く乗るには慣れと知識と覚悟が必要で、ネットからの情報はそれを支える大きな力となる。それが最近、更新されなくなってきたわけで、楽しみが無くなると同時に不安が募る。
最近市街地を走っていて406シリーズを見ることはほとんど無い。我が家の2台は今のところ元気だが、ディーラーのトラブル検知ソフトのバージョンが進んだために、地元のディーラーではトラブルチェックに掛からなくなってしまった。僕としては、新車からのつきあいであるセダンについては、オーナー歴30年を目指したいと考えているのだが・・・。
きーさんは今、どんな車に乗っているのだろうか。素敵な車に巡り会えていると良いのだけれど。