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 ヘンなものを買った。

 いや、別にヘンじゃないけど、今それ?っていうようなもの。それはラジカセです。CDプレイヤーがついていない、正真正銘のラジカセ。しかもモノラルでーす。

 WINTECHというメーカー(?)で、とてつもなくレトロなデザイン。実はここ数年、地元のケーズデンキに行くたびに目にとまり、気になっていた。知らないブランドだし、7,000円ちょっとのラジカセなんて、そのうちなくなっちゃうんだろうな、もうちょっと考えてみて、その時なくなっていたら諦めよう、などと考えつつ数年が過ぎ・・・おお、まだあるぞ。「これはね、神様がキミに『買いなさい』と言っているんだよ」そんな声がどこからともなく聞こえてくる。で、結局買った。店員さんが6,000円台まで値段を下げてくれた。アマゾンより安いぞ。良かった良かった。   

 昨年の春にカミさんが新しいノア(車です)を買ってから、運転中にラジオを聞く機会が増えたことは前に書いたと思う。何しろ手間いらずで、勝手に新しい情報がどんどん耳に入ってくる。それを家庭でも堪能したいと思って、とうの昔にオーディオラックから撤去してあったチューナーを改めて接続してみたんだけど、深窓の令嬢のごとく、一向にしゃべってくれない。仕方がないからラジオ買おうかな、でもどうせならラジカセかな、でもFM聞くとなるとステレオ再生タイプが良いよな、でもそれだとでかくて大変かな・・・。頭の中で「でも」を連発しながら、脳裏にチラチラ浮かぶのは、やっぱり今回買ったラジカセだった。

 それは店頭に居並ぶ丸っこくてずんぐりしたCDラジカセのなかで、ひときわ異彩を放つ存在だった。シュッとして、まるで昔の弁当箱を立てたようなたたずまい。幅は3.5センチしかない。昔の機種に比べると大分小さいけど、僕にとってはこのプロポーションこそがラジカセなんだよな。ワンボタンワンファンクションの操作感もシンプルで小気味良いし、しかもラジオは今時何やってんだ感満載のマニュアルチューニングだぜ。いやもう、説明してるだけでなんか楽しい。誰?この商品企画したの。

 さて、うちに帰って早速ラジオをつけて(つけて、だって!)みた。チューニングスケールが短いから、局を探すのが難しい。何しろ本体の横幅からして、20センチもないぐらいだからね。何とか周波数が合ったら、次はロッドアンテナを振り回して、電波が最もよく入る方角を探す。そうだ、昔はいつもこんなことやってたんだよなあ。今こうしてあの頃と同じ事をしていると、いろいろとこみ上げてくるものがある。「ラジオか・・・何もかもみな懐かしい・・・」そんな感じ。つまりラジオを聞くというより、ラジオを聞くための操作を懐かしんでいる感じ。

 そのあと山ほどあるカセットテープを引っ張りだして、いろいろと再生してみた。モノラル再生だし、コンポのカセットデッキの音とは比べようもないけれど、今の僕にはそんなことはどうでも良くて、こんな小さな機械から自分の好きな曲が流れていて、しかもそのまま家中どこへでも連れて行けるのが妙に嬉しい。ちょっと残念だったのは、メタルテープは使わないでね、という仕様だったことで、特に録音には向かないようだ。でも考えてみれば、確かにこの手の機械でメタルテープを使おうなんてヤツはいないだろう。

 問題は、ラジオを聞いていると知らない曲がどんどんかかるので、今の曲何?欲しい!となることだ。今は放送された曲名をネットで調べられるだけでなく、CDがネットですぐに見つかったりする。ちょっとこれ、ヤバいです。カミさんからは「ほどほどにね」なんて言われているのだが、その「ほどほど」とは、一体いかほどのことをさして言っているのか。僕にはまったこわからない。

今時らしく、マイクロSDカードやUSBにも対応している。使う気は全くないけど。