オーディオ趣味
先日、オーディオ機器の一部を買い換えた。高校の頃からこの手の機械をいじることは好きだった。2トラサンパチのオープンリールデッキや真空管アンプなどに憧れて、ショールーム(当時はそこかしこにあった)を巡ってはカタログを集めたものだ。教員をしていた頃には、音楽室や放送室の備品を廃棄したと聞けば、人知れず物置に行って、とっくにカタログ落ちした往年の高級機(廃棄手続き済みの機材)を持ち帰ったりしたこともある。今はもうそんなことできないだろうけど。良い時代だったよなあ。
皆さんよく知らないと思うけれど、学校のこういった備品って、それなりに高級機が使われていることが多い。そしてそれ故、普通の教員では使い切れなかったり、操作がわからずに変なスイッチを入れたりして「音が出ないんだよね」なんてことがままあった。新しい機材の接続や調整を頼まれたことも結構あったなあ。そんなふうだったから、「古いの欲しかったら、いいよ持っていっちゃっても」となるのだ。勿論その手の機材はどこか調子の悪い部分があるので、そのままでは使い物にならないことが多いんだけどね。
そんなわけで、うちにはヤマハの名スピーカー「NS-1000(いわゆるモニター1000)」があったり、同じくヤマハのA級プリメインアンプ「CA-1000Ⅲ」があったり、テクニクスのダイレクトドライブカセットデッキ「RS-2760U」があったりする(NS-1000はすでに廃棄)。いずれも1970年代に10万円超え(NS-1000は1本の価格)という高級機。これらの機材を知識のない教師や使いの粗い生徒が使うために備品として導入していたわけだ。もっと使い勝手の良い安価な製品はいくらでもあるというのに。今考えても納得がいかないよなあ。
さて、近頃ではフルサイズのオーディオ機器はマニアの世界のものになってしまった感がある。そんな中で、僕のように家庭で音楽を楽しもうとするだけなら、DENONの製品が一番お手頃感があるような気がする。それ故うちのオーディオ機器もいつの間にかDENONで統一されつつある。スピーカーだけはデンマークのDARIの上位機種をおごってあるが、次に買うときはもう同じレベルのものは買えないだろうなあ。
今回はここ数年調子の悪かったアンプとCDプレーヤーを刷新したが、やっとの思いで中級機。他にも欲しいものがあるし、カミさんの表情を見る限り、これが精一杯だわな。でも根が好きだから、久しぶりに鼻歌交じりで、面倒な配線を1日がかりで済ませた。実を言うと、前に使っていた機器が故障したのは、どうも紙製の猫砂(うちには猫が5匹いる)の微粒子のせいらしい。そこで今回は、アンプとCDプレーヤーをラックの高い位置にセットし、下半分の使用頻度の少ない機材とレコードプレーヤーの棚にはビニールまたは布製のカバーを取り付けることにした。そんなわけで配線と同時にオーディオラックの清掃や各種機器の配置換え、ついでにCDラックの整理も行った。だから1日がかり。でもオーディオ好きの人ならわかってくれると思うが、こういった作業は結構楽しいんだよな。
一通り作業が終わったので、久しぶりにレコードをかけてみた。ところがここで問題発生。何となく左右のバランスが悪い気がする。CDを再生したときにはそれが感じられないし、プレーヤー自体そんなに古いものではないので、もしかするとカートリッジの問題かな。だとするとインサイドフォース・キャンセラーの再調整が必要かも知れない。何しろ長いこと使ってなかったからなあ。ただの接触不良なら良いんだけど。とりあえず接点を磨くことから始めてみるか。