カテゴリー
未分類

 ニュースを見ていて気付いたこと

 今ウクライナが大変なことになっているのは周知の通り。僕も毎日のようにニュースをチェックしている。少し前のことになるが、ちょっと気になることがあった。当時は首都キーウであったり、ハルキウであったりの惨状がよく映し出されていたのだが、ミサイルや弾頭が形状を維持したまま地面に刺さっていたり転がっていたりする。それも結構な数だ。これっていったいなぜなんだ?

 砲弾の弾頭とかミサイルとかは通常、弾着して炸裂するので、原形をとどめているはずがない。にもかかわらず、原型がわかる状態で墜ちているというのは、それが炸裂しなかったということだ。つまり不発弾だ。しかし、本当に?だって、あんなに不発弾が多いとすれば、兵器としては失格だ。連日の状況を鑑みれば、ロシア軍の武器が品質やその管理において問題が多いのは容易に予測できる。だが、原因がわからない。世界有数の軍事力を誇る(はずの)ロシアが、あんなに不発弾を出すものだろうか。それともそれ相応の弾数を使ったということなのか。

 別のニュースによると、ロシアの上層部では、軍部も含めて汚職や横領が盛んに行われているという。その関係で国が戦力の維持に十分な予算を計上しても、それが途中でピンハネされて、現場で使われるまでに目減りしてしまっているというのだ。国家予算を上層部がピンハネするというのは、日本では考えられない(そうでもないか?)ことだが、現在のロシアでは当たり前のことのようだ。現代の兵器は精密機械のようなものだから、有事に備えて定期的に古い部品を交換したり、行き届いた管理をしたりしないとへそを曲げる。もし予算不足を理由に現場がそれを怠っているとすれば、額面通りの軍事力を発揮するのは確かに難しいだろう。そもそもロシアの地上部隊の主力を担っているT-72戦車は、時代に合わせて改修されてはいるものの、基本設計は1970年代のもので戦後第2世代というカテゴリー。言うなれば時代遅れの代物だ。ちなみに西側陣営や日本では現在第3.5世代戦車の配備が進められている。ロシアでは少数の第3世代(と言っても相変わらずT-72の延長線上にある)がやっと配備されたところ。開発の遅延の原因は・・・あー、やっぱりお金の問題ですか。これって、現場が本当に戦争になるとは思っていなかったとしか思えない。

 戦争、あるいは戦争に備えることには莫大な金が掛かる。例えば戦車が搭載している120㎜戦車砲の砲弾は、日本では1発がほぼ100万円と言われている。陸上自衛隊の90式戦車に搭載できる数は軍事機密として明かされていないが、世界の平均は40~50発。50発として5.000万円。90式の生産数は350両近いので、仮に350両として、フルに搭載すれば175億円。もちろん撃ち尽くせば補充するからこれだけでは済まない。そもそも90式戦車1両が10億円超、航空自衛隊のF-15戦闘機は約30億円で、配備数は約200機だそうだ。さらに、先に述べたように、戦うにはこれらが完璧に整備されていなければならない。第二次世界大戦中最強と言われたドイツのタイガー戦車は、まるで高級車のような最新技術(当時)の塊で、ミッションはセミオートマチック。おまけにパワーステアリングハンドルまで備えていた。構造が複雑かつデリケートなために故障も多く、タイガーがあそこまで活躍できたのは、それを稼働させるために優秀な整備兵が部隊について回り、全力でサポートしたからだと言われている。何しろ当時のドイツには、今で言うハイブリッド戦車まであったんだぜ(ちなみに開発したのはポルシェ社)。

 ところで日本の自衛隊は、装備は最先端だが砲弾・ミサイル等の備蓄は一週間戦える程度と言われている。世界情勢を見ていると、ロシアを笑える立場じゃないかも。