メイド・イン・ジャパンの話
最近どうも筆が進まなくて困った。話題がないわけでもないのに、こんなことではいかんよなあ。そんなわけでしばらく間が空いたので、とりあえず今回は近況から。
クリスマスはいつものように、うちに3家族(実家の兄夫婦、カミさんの実家、そして我が家)が集まり、大々的に祝った。12月28日にはカミさんの実家で餅つき、これも3家族。ここ数年で据付けの古いかまどが壊れてきたので、今年は簡易かまどを購入した。長女は餅つきに合わせて帰省していて、なんか知らんけど旦那の実家(同市内にある)ではなくうちで寝泊まりしていた。そのほうが先方も気が楽らしい。今はそんなふうなのかねえ。
元日は次女の仕事の都合もあって出かけることはせず、自宅でゆっくり過ごした。年末年始の特番を録りためて、内容によってはディスクに落としたり…まあ、いつも通りの流れですね。
そういえば年末に、ある家電量販店にディスクを買いに行ったとき、面白い話を聞いた。いつも買っていた名の知れたブランドの製品が、最近どうも調子が悪く、今回は25枚中5枚(!)が録画不能で、仕方がないからちょっとお高いがソニーの製品をあらためて購入。こちらはすべてのディスクが問題なく使えた。どちらも海外製造品なのに、なんでやねん。
不思議に思い、店員さんにその辺の事情を聴いてみた。すると「製品管理のチェック項目の数が違うらしいですよ」との答え。「ちなみに国産のディスクはもうないんですかね?」と尋ねると、メディアコーナーの一番端に連れていかれた。「このコーナーが国産のディスクですね」そこには2~3種類の国産ディスクが並んでいて、なかには「○○工場製」と、製造している工場名まで明記しているものもあった。価格は海外製造品の倍以上だ。ひええ。「どうしてこうも品質に差が出るんでしょうねえ」と聞くと、微妙な表情とともに「作る人の意気込みの違い、じゃないでしょうか」という答えが返ってきた。
僕が愛用しているカメラのブランド、ニコンについても、昔同じような話を聞いたことがある。「レンズにしろぼデイにしろ、『メイド・イン・ジャパン』と表記のある製品を買ったほうがいいですよ」と教えられたが、当時はそんな表記があることすら知らなかった。ニコンの製品は当然日本製だと思っていたからね。
あれから20年が過ぎ、今やニコンの製品はそのほとんどが海外で製造されている。ニコンといえばその旧社名は「日本光学工業」。「日本」と謳いながら、国内で製造されているデジタル一眼はD5とDfの2機種のみ。ミラーレスのZシリーズに至ってはそのすべてがメイド・イン・タイランドだ。偏見は良くない、とは思うんだけど、前出の店員さんの話を聞くと、やはりメイド・イン・ジャパンは信頼の代名詞…いや、ちょっと待て。一つ思い出した。
陸上自衛隊の使用する自動小銃は1964年に初の国産品、つまりメイド・イン・ジャパンが採用された。ところがこの64式小銃、訓練中にやたらと部品が脱落したんだそうだ。だから隊員はみな黒いビニールテープを携行して、あっちこっち止めていたらしい。おいおい、国家の存亡が懸かってんだけど。次の89式小銃はさすがにそんなことは(ほとんど)無かったようだが、不安に駆られた隊員たちはビニールテープを携行する習慣が捨てられなかったそうだ。
現在は2020年採用の20式小銃の配備が進められているが、何かの書籍でその紹介記事を読んだときに、開口一番「もう部品は落ちません!」と書いてあったのを見て失笑した記憶がある。まあ、これもメイド・イン・ジャパンに関する逸話(?)ではある。