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 話題が無いわけじゃなくて・・・

 この夏はブログの更新という意味ではあまり筆が進まなかった。

 このブログは少し浮き世離れしたイメージを目指しているところがあるのだが、この夏は腹の立つ政策や理解しがたい事件が多く、それについて書くと内容がすさんでくるだけでなく、一気に現実的になってしまうわけで、それは僕の意図に反する。しかし、そう言いながら覚え書きはそれなりにため込んでいる。そういった文章は書いていてさほど面白いわけでもなく、後で読み返すと何となく不愉快だ。言ってしまえばその時々の個人的な感情の記述といった体(てい)のものだ。そんな文章誰も読みたくないだろうから、あえてUPせずにいるというのが本当のところだ。だから今回は久しぶりに、この夏覚えた遊びについて書く。その遊びというのは、蝉の抜け殻集め。

 事の始まりは、ある夜、下の娘がリビングから見えるところで羽化しようとしている蝉を見つけたことだった。翌朝確認すると、この蝉(アブラゼミだった)はまだ飛び立ってはいなかったが、立派な成虫になっていた。事のついでに庭の中を探してみると、あちこちに蝉の抜け殻がぶら下がっていて、集めてみたら7~8個はあったかな?何となく、うちの庭からどれだけの蝉が羽化するのか知りたくなった。そこで朝起きるとすぐ庭を一回りし、抜け殻を探すことが習慣に。見たこともない小ぶりの抜け殻があったりしてなかなか面白い。今までにも蝉の抜け殻は幾度となく目にしてきたが、大人の目でこんなに真剣に探すのは初めてだった。結果、うちの庭には少なくとも5種類の蝉が生息していることがわかった。ネットで調べてみたところ、アブラゼミ、ミンミンゼミ、ニイニイゼミ、ヒグラシ(多分)、そして1匹だけクマゼミとおぼしき抜け殻が。さらに、ちゃんと成虫になれない蝉がいることも実感としてわかった。羽根の奇形が2匹、殻から抜け出せなかったものが2匹。自然って、きびしいなあ。

 抜け殻が110個を越えたところでパンツァーカイル(WW2時のドイツ機甲師団の陣形)を編成し、写真を撮って他県在住の長女(蝉が大嫌い)に送ってやった。頭を抱えた女の子のスタンプを貼り付けた返事がラインで返ってきた。このコロナ禍の中、元気そうで何よりだ。

 今では抜け殻の総数は146個。最大で1日17個の記録がある。我が家は地方都市の外れに位置し、農地転用で安く手に入れた敷地はそれなりに広い。そこに雑木を植え、庭はちょっとした雑木林のようになっている。だから虫や野鳥がたくさんやってくる(ノラ猫や、時には狸も)。あちこちの藪の中にはいまだ発見されていない抜け殻がまだまだあるに違いない。それにしても140個超とは。

 さすがにお盆過ぎにはピークを過ぎ、1日2~3個に。それに反比例して蝉の亡骸が目立つようになってきた。そういえばここ数日、トンボもよく見かける。明け方聞こえてくる虫の声はヒグラシからコオロギに変わった。庭で見つかる抜け殻の数の推移、これも季節感というやつだろうか。かなりマニアックだけど。